まず、「他人が自分に話をするだけでも、そこにコストがかかっている」ことに気付いてほしい。世知辛いとかケチだとか言うのは一旦置いといて。
友人以外の誰かが絡めば尚更そう。その人はわざわざ時間を使って、もしかすると交通費をかけてまで話をしに来ているわけで。
うまい話がやってきたとして、先方にはそのコストを回収できるだけの何かが、裏には必ずある。もし自分でそこを把握できないんなら、やらない方がいい。
そこを把握した上で、その裏のコストを粗方理解した上で、自分がそれについてイニシアティブを取って利用できる側(利用される側ではない)になれるなら、まぁアリ。
把握したところで、詐欺を見抜くのは難しいのかもしれないけどね。
美味しい話が目の前にあると、人間ってのは、結構冷静に判断できないものだからね。
なぜ、人は美味しい話に騙されるのか?
特に、金額が大きくなればなるほど、冷静に判断できない傾向、つまり誤った判断をしてしまう傾向が強くなる。
それは、欲望、つまりは美味しい話に自分も乗りたいという風に頭が働くから。
そして、その美味しさの裏付けを、根拠がないのに、わざわざ自分のイメージだけで都合よく取ろうとする。
乗りたいから。
美味しい話に乗ろうとして、自分を都合よく解釈させるケース
代表的なのが
- これだけ高価なんだからきっといいものだ
- この人が紹介するんだからきっといいものだ
これ。
そう思うのは、目の前にある美味しい話を信じたい(利益を得たい)という欲望から。
でも、実際に見た?自分で裏取った?
当然、自分で裏取るとかそんなことしてません。でも、信じたいんです(美味しい話に乗りたいから)
詐欺かも?
でも、美味しい話だから乗りたい。
そして、「何とかそこに乗れる理由はないか」と、自分で「都合のいい理由」を探す。都合のいい理由が欲しいので、実際に裏取りにいったとしても、その結果から素直に判断するんじゃなく、そこには「都合のいい」方向のバイアスがかかることも多々あります。
そうやって、詐欺かも?みたいなものに自分から引っかかりに行く。
世の中本当に多いです。残念ながらね。
1.これだけ高価なんだからきっといいものだ
都合よく解釈するものの典型例その1
高いんだからきっといいはずだ、というイメージ。提示された金額から中身の価値を類推する人が多いが、これは完全NG。
中身を調べて知り尽くしてから、それがどの程度の価値があるか自分で判断し、その上で、提示された金額が高いか安いかを判断するべき。スーパーの買い物ならそれができても、高額商品になると難しくなる。
判断基準が分からないから、これはある程度は致し方ない。でも、そうやって考えることをやらなかったら、言い値で買わされるだけ。
それは、いいお客さん、悪く言えばカモ。
ビジネスにおいては特にそう。カモられるだけの存在。
2.この人が紹介するんだからきっといいものだ
信頼関係は大事ですが、鵜呑みとはまた別です。
人は、誰でも間違えます。間違えない人はいません。
「あの人が紹介するなら信じよう」
これは、自分の判断の責任の所在を「あの人」になすりつけている。悪く言えば「鵜呑み」だし、当然、その人は責任なんて取ってくれない。
分かっている、多分そうだと思っている。
けど、その美味しい話に乗りたいから、自分を「都合よくいい風に納得させたい」ため、都合のいい風に解釈しようとする。
例えば、
「あの人はその道のプロだし、その人が紹介してるから、間違えるわけがない」
自分で判断してもどうせ分からないし、それならプロの判断に乗ろう(なんかひっかかるけど、あの人が勧めるんならいいか)
と、自分で考えることを放棄している。
別にいいんですよ、専門家に委ねるのは。それは別に悪くない。
でも、タダでそれは、普通やらないですよね。
向こうに利益があるから、それをやってくれているわけです。
見方変えたら投資顧問みたいなもんです。ファンドです。だからそこは、手数料とってそれをやる。それがプロ。
手数料取らないでやるわけがありません。
手数料を勘案した上で、任せるならアリです。まぁ、仮に手数料取られてても、失敗の責任は向こうは取りませんけどね。
美味しい話を見抜くには、自分1人で考え、決断するしかない
だから、表向きは無料でも、無料じゃないんです。
最初に書きましたが、話をするだけでもコストがかかるんです
「無料で紹介してくれるなんて」と、そこに手数料がないと思ってたら、大間違い。大概、裏で手数料が動いてます。
紹介された情報に、興味を持つのはアリ。
鵜呑みにして乗っかるのは、アホ。
「美味しい話に乗らないことは得」という考えを持てるかどうか
「美味しい話に乗らなかったら損」じゃなく、「美味しい話を紹介された、魅力的だけど、自分で調べていくとどうも腑に落ちない」
結果、話に乗らず、騙されるのを防げた。これは即ち、被害を未然に防げたということ。損するところを、損しなくて済んだ、ということ。
裏をどこまで話してくれるか?
ビジネスなら当然、秘密もある。
それをひっくるめて「美味しい話」を「ビジネス」として捉え、
- 自分でそのビジネス、やれるの?
- やるとしたら、どれだけ費用とか工数とかかかるか考えて
- それでもいけるの?
- 搾取する側になれるの?
- 搾取されて終わりになるだけじゃないの?
- その境目はどこ?
くらいは見抜いておかないと、人の話には乗らない方がいい
これくらいの認識がないとやられますよ、ってことで
よくある美味しい話、マルチとか投資話とか無料オファーとか、そんな話に出会ったら、これくらいの認識を持って対峙しないとやられます。
残念ながら、日本は詐欺師にとってとても生きやすい環境なので絶滅することはないだろう。そんな世の中でも生きていかなければならないので、詐欺被害をできるだけ減らすことに、自分は役立ちたいなぁと思うのです。